最後に、私たちは大成殿を回って、後ろの崇聖祠に行き着きます。崇聖祠は、孔子の先祖五代を奉った殿堂で、それには詒聖王木金父公、裕聖王祈父公、肇聖王防叔公、昌聖王伯夏公それに啟聖王叔梁公などが含まれています。そのほか、孔子の兄や四配の父、それに儒教の聖人の父などが合わせて奉られています。こういった祠があるのも、中国の数千年ら続いた宗族の倫理制度と関係があり、孔子廟全体の配置にも、家のお霊屋或いは一族の祠などとあい通じるものがあります。

崇聖祠の幅が五間。崇聖祠の内部の構造は、儀門と同じく露明造りで、梁と瓜柱の彫刻を見ることができます。その屋根組には、「三通五瓜式」が採用され、三本の梁に五の短い支柱がついています。瓜柱は金瓜或いは木瓜の形で、丸みのある造形は力の美を表現しています。最上部にある獅子座は、屋根全部の重量を支える勢いがあります。