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Taipei Confucius Temple Confucian Culture

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大成殿

儀門を過ぎると、大成殿が広々とした石畳の中央に建っているのが目に入るでしょう。孔子生誕の祭礼の時には、正献官・分献官及び陪祭官等が古式に則ってこの花岡岩の石畳に並び、厳粛に儀式を執り行います。

大成殿は孔子廟の主建築で、聖人孔子の位牌を奉っています。建物は、基盤となる台にのっており、階段がつけられています。大成殿の前には、同じく台が設けられており、月台とも丹墀(ち)とも呼ばれています。孔子生誕の祭典の際には、楽器が揃えられ、佾(いつ)の舞いが奉納されるところです。丹墀の前にある御路には、雲龍彫刻が施されており、その勇壮な装飾は高度な芸術的水準を保っています。

大成殿の廊には泉州の白石を使用した柱が使われ、中央の柱には蟠(は)龍の彫刻が施されています。これらの彫刻は、泉州恵安一帯の職人の手になるもので、古拙な技法を保持して、通常の寺や廟の煩雑な装飾とは、一線を画しています。

大成殿の屋根の中央に七層の小さな塔が建っているのが見え、屋根の稜線が軒にきて燕の尾のように跳ね上がっている所、この形を燕尾と言います。その両端に筒状のものが置かれており、また七十二羽の鳥や梟の塑像も見えるはずです。これらの装飾には、物語や伝説が込められています。

民間信仰では、塔は魔除の象徴とされ、大成殿に置かれるようになったのです。筒状のものは通天柱と呼ばれ、大亀の上に立っており、筒には龍がついています。これは宋朝の聖人朱子が孔子の徳の高さに感じ入って、泉州の孔子廟の屋根に立てて尊敬の念を表したのに始まると言い、福建省南部の孔子廟の伝統になったのだそうです。もう一つの説は、秦の始皇帝の焚書坑儒の時に、学者は経書の保存のために竹筒の中に隠したところから、後世これを記念して屋根に通天筒を立てるようになったと言うものです。

大成殿に入ると、中央の厨子に聖人子の位牌が奉っており、上には高く先の総統蒋介石先生の筆になる「有教無類」の金文字の額がかかっています。左右の壁には四配(顏子、曾子、子思る、孟子の四人)や十二哲人(閔損、冉雍、端木賜、仲由、卜商、有若、冉耕、宰予、冉求、言偃、顓孫師、朱熹)などの位牌が並んでいます。大成殿の中では荘厳で身の引き締まるような厳粛な雰囲気が漂っています。天井には八角形の装飾である藻井がはめ込まれ、二十四本の柱の上部の枡形が中央に向って伸びていき、中央に近くなると十六に減って、頂きで一つに集束します。放射状の形は、壮麗なものです。藻井の四隅には四匹のコウモリの装飾が彫られていますが、四匹のコウモリは中国語で「福を賜う」という言葉と同じ発音になります。

また、藻井の両脇には斜めに連子の鏡板がはめ込まれ、屋根の桁や梁などを隠していると共に、天井の通風にも役だっており、装飾と実用をかねた中国の古い建築物の知恵には、感心させられます。

大成殿の蟠竜柱
大成殿の蟠竜柱
大成殿の軒
大成殿の軒
大成殿の額
大成殿の額
大成殿の全景
大成殿の全景
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